カビは加熱で殺菌できることは多くの人がご存知でしょう。では衣類にカビが生えた時に、アイロンをかけて除去することはできるのかというと難しいでしょう。
アイロンの温度はカビ菌糸を殺菌するのには十分だが
まず、アイロンの熱はどのくらいかというと、以下の表のようになります。
低温であっても80℃~120℃、高温で使っていいのなら210℃でアイロンがけできます。
カビの菌糸を殺菌するのに必要な温度は種類にもよりますが、80℃もあれば十分な効果が期待できます。しかし胞子は菌糸よりも耐熱性があります。
カビが胞子状態の時には120℃にしても殺菌に1~2時間かかるのです。アイロンをこれだけの時間当てておくのは無理です。カビの胞子が死滅するよりも衣類が焦げてしまうのが先でしょう。
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色素が残るので漂白・洗濯をする方がいい
もう一つ問題なのはカビそのものを殺菌できたとしても、色素は取れないことです。
カビが服に発生した時にアイロンを強く押し当てると、色素が布地に馴染んでしまったり、胞子が繊維の奥に入り込んでしまうことが考えられます。
白い衣服に白カビといった場合はまだいいですが、白地に黒カビが生えた時に上記のようにしてしまうと除去するのが難しくなるでしょう。
なので、カビの色素が目立つようなら素直に漂白剤を使って除去します。そのあと洗濯して、乾いてからダメ押しにアイロンという手もありますが、この時点でカビの色が消えていれば大丈夫でしょう。