エタノールは家庭でも気軽に使える優れた殺菌剤です。しかし、実はエタノールを栄養源に成長してしまうカビもいるのです。
エタノールを栄養源にするカビ
薬剤耐性を後から獲得したわけではなく、元からそういう性質を持つカビがいます。
食品工場で施設内をエタノールだけを使って殺菌していた場合に見つかることが多く、食品の変敗の原因になったりします。下の表は、実際に食品で検出されたことがある、エタノールを食べるカビです。
資化というのは栄養として取り入れ、増殖できることを言います。
Moniliellaは好酸菌で、上記の食品群以外にもマヨネーズや酢の物に見つかることがあります。カビ毒は作り出しません。
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エタノールを食べるカビによる被害と対策
こういったカビは無害ではありません。上に挙げた通り食品の汚染被害があります。カビが目で見えるほど大きく育つとクレームの対象になりますし、もちろん味も劣化します。カビではなく酵母が原因ですが、シンナー臭がするという被害も出ています。
これらのカビ、酵母にはエタノールとは作用の仕方が違う殺菌剤を使わなくてはいけません。なので対策としてはオゾン水やオゾンガスの使用が有効とされています。
薬剤耐性菌の発生は考えなくてもいい
よく薬は使い過ぎると薬剤耐性菌が出てくるいいます。普段、エタノール殺菌を利用している人は大丈夫かと心配になったことはないでしょうか。
実は薬剤耐性菌というのは主に抗生物質に対して出来るものであって、殺菌剤にはできにくいものなのです。家庭で使う分には薬剤耐性については考えなくていいでしょう。