塗り壁の種類とカビが生えたときの対処法

和室によく合う砂壁や繊維壁、珪藻土壁などのいわゆる和壁、それに加えて漆喰などの塗り壁にカビが生えてしまうと、アルコールや漂白剤だけで対処するのは難しいです。表面だけでなく内部までカビが菌糸を伸ばしている場合が多いからです。

表面だけに生えている場合を除き、塗り壁がカビたら塗り直しが必要です。

塗り壁の種類と特徴

塗り直しとなった時にまず必要となるのが新しく塗る材料です。それぞれに特徴があるので選ぶときに参考にして下さい。

砂壁(じゅらく壁など)

砂壁の一例

砂壁の一例

調湿、耐火性があり、防音効果もあると言われています。工期や費用がかかること、汚れやヒビが入りやすいデメリットがあります。

珪藻土壁

珪藻土壁の一例

珪藻土壁の一例

二酸化ケイ素を主成分とするもので、七輪にも使われます。仕上がり表面が漆喰に比べて凸凹していてゆず肌と言われます。吸放湿性や耐火性に優れますが、汚れやすく、擦れに弱い上補修も難しい素材です。

接着剤を混ぜて使われるのが一般的です。そのためシックハウス症候群が気になる方は、接着剤に何を使っているのか確認しましょう。

漆喰

漆喰の一例

漆喰の一例

消石灰に砂、ノリなどを混ぜた素材で、仕上がり表面はツルツルとしています。カビ対策を考えた時に漆喰は比較的いい素材です。それだけでなくずっしりと重いので防音性が高く、耐火性もあります。

ただ、漆喰を施工するには手間がかかり、短時間の内に固めてしまうとひび割れしやすく、地震の際もひび割れが発生しやすいというデメリットもあります。

繊維壁

デザインのバリエーション(テクスチュア)が多く、塗り壁の中ではひび割れが起きにくい素材です。また、コテによるムラが出にくいので、塗りやすさもメリットに挙げられます。

反面、繊維なので耐火性は低く、湿気に弱いため水気に当てられると崩れやすく、カビやすくもあるのがデメリットです。1950年台から人気のあった素材ですが、これらのデメリットのため人気が落ち、扱うところも少なくなりました。

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塗り直しDIY

リフォーム店や左官職人に頼らずに、自分でやってしまいたい人のための塗り直し手順です。

準備するもの

剥離剤・コテ・コテ板・ローラー・金属製バケツ・70%エタノール・ゴム手袋・マスク・マスキングテープ・下地処理剤・壁材・壁材を混ぜるための器具

最初から水で練られた壁材を使う場合、コテ板と混ぜるための器具は不要です。

床・壁枠の養生

カビてしまった壁を剥がすので床にビニールシートなどで養生する必要があります。塗り直す面積が小さければ新聞紙でも間に合うでしょう。壁材が飛び跳ねて汚くならないように、壁枠の養生はきちんとしておくことをおすすめします。

電気コンセントがあるなら、カバーを外して中をラップなどで覆います(感電しないように注意して下さい)。

カビてしまった壁を濡らす

剥離剤を塗り直したい壁に塗布していきます。種類によっては水で十分に濡らすと剥がれるものもありますので、最初に目立たないところで試してみてください。

壁を剥がす

剥離剤あるいは水が十分馴染むとコテでそれを剥がしていきます。薄く塗られていることがほとんどなので、下地を傷つけないように力加減してください。

下地の殺菌

下地までカビていないことが前提ですが、ここで殺菌をしておきます。とはいっても、消毒用エタノールを吹きかけるだけなので手間はかかりません。

下地処理

エタノールが乾いたのを確認して下地処理剤をローラーで塗布していきます。カビの再発が心配な方は、このときに防カビシーラーなどを使うといいでしょう。

仕上げ

下地処理剤などが十分に乾くのを待ち、壁材を塗っていきます。水で練ったものを使う場合はローラーできれいに仕上がります。自分で作るタイプのものは金属製のバケツの中で混ぜあわせ、コテとコテ板を使って仕上げていきます。

ワンポイント

壁枠の養生はきっちりしましょう。仕上がりが断然違ってきます。

築年数がかなり経っているもの、あるいは作業していくなかで下地が汚いと感じた場合、下地処理のときにアク止めすることをおすすめします。アク止めというのは、元の壁にある汚れが新しく塗ったものに浮き出てくるのを防止することです。壁材を塗る前にローラーで下地に塗り、乾燥してから作業を続けましょう。

珪藻土壁の塗装動画

あらかじめ水で練った珪藻土壁材を塗っていく動画です。作業の参考になります。

業者に依頼するときの注意点

木部にカビがあったり、壁の下地にまでカビが及んでいる場合は業者に頼むことをおすすめします。木部の灰汁止め(カビを含めての汚れ取り)に3段階ほどの手順をかけることもあり、素人の手にはおえないからです。

そこで業者に連絡を取ることになりますが、少し注意することがあります。それは、単なる塗り直しリフォームではなく、カビ取りと防除をしてほしいということであれば専門の業者に頼むということです。

同じ塗り直しの作業でも、普通のリフォーム店や左官職人に頼んだ場合ではカビの処理までは請け負ってないことがあります。連絡とったときにこの点は最初に確認しましょう。

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