喘息とよく間違われるアレルギー性肺アスペルギルス症

喘息によく間違われる病気にアレルギー性アスペルギルス症(ABPA)と呼ばれるものがあります。これは喘息よりもたちの悪い病気で、悪化すると呼吸不全となり、酸素療法が必要になるほどです。咳が出るだけと放置しておくのは危険です。

アレルギー性アスペルギルス症(ABPA)とはどんな病気


気管支喘息と似ていますが、原因となるものがカビだけで、ほとんどがアスペルギルス・フミガーツスによるものです。喘息の患者がかかることが多く、治療が難しいのが厄介な病気です。重篤化すると肺の細胞が線維化して元に戻らなくなる危険性があり、速やかな対処が求められます。

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どんな症状が出るのか

微熱、咳、呼吸困難、緑や茶色あるいは血の混じった痰が出る。喀血などがあります。症状が重くなった場合、全身の倦怠感、頭痛などが見られます。

これらの症状は喘息や、その悪化したものと似ているので素人目には区別が難しいです。

どうやって喘息などと見分けるのか

診断では喘息のほか、気管支拡張症や嚢胞性線維症と間違われることもあるようですが、好酸球やアスペルギルスに対する抗体が増えるのが特徴です。なので血液検査を行って見分けます。素人判断で喘息だと高をくくって、後でABPAだと分かるなんてことのないよう早めに病院に行って確かめてもらいましょう。

一般のお医者さんでは誤診が多い病気ですので、呼吸器専門の所にかかることをおすすめします。呼吸器科や専門の人が見つからないという場合は、好酸球とアスペルギルスの抗体を項目に加えて血液検査を受けましょう。

治療法と費用

物理的には気管支に溜まった粘液の吸引除去、薬理的にはステロイドの服用、抗真菌薬の使用で治療します。療養期間は長期にわたり、ステロイドは副作用が出ることがあるので、血液検査の結果を見ながら量を調整します。

ステロイドにはプレドニゾロンなどを、抗真菌薬にはミカファンギ(ファンガード)やボリコナゾール(ブイフェンド)を用います。
*()内は商品名

カビに侵された部分が局所的である場合、外科手術により肺の一部を切り取るという選択肢もあります。

それぞれの病状により治療費用は違ってきますが、薬のおおよその価格は以下のようになっています。

・プレドニゾロン(1錠5mg):10円
・ブイフェンド錠(1錠50mg):1200円
・ファンガード(点滴用50mg):7600円

抗真菌薬の用法は次のようになっています。

ブイフェンド:初日は1回300mgを1日2回、2日目以降は1回150mg又は1回200mgを1日2回食間に経口投与する。

ファンガード:通常、成人にはミカファンギンナトリウムとして50~150mg(力価)を1日1回点滴静注する。

診断、治療後はどういったことに気をつければいいのか

ABPAはカビを日常的に大量に吸い込んでいる場合になることが多いです。なので自宅のカビ取りや掃除、換気が予防になりますし、かかってしまった後にもある程度有効です。また、喫煙は肺の組織を傷つけるので控えたほうがいいでしょう。

喘息だけと診断された方は、マスクを着用して清潔を心がけ、ABPAになるリスクを減らすため早めに治療を受けて完治させましょう。

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