カビアレルギーの症状と集団発症の事例

アレルギーの原因となるものをアレルゲンと言います。建物内の空気中に浮遊するアレルゲンはホコリやダニの割合が多く、屋外では花粉がよく問題になりますね。これらについで問題となるアレルゲンがカビの胞子です。また、カビはダニの栄養源となるので、ダニを問題にするときでもカビの除去は欠かせません。

カビ胞子の大きさとアレルギーとの関係


カビの胞子はだいたい花粉の10分の1程度の大きさだとされていて、アレルゲンとなることは少ないのですが、大量に吸い込むと気管支喘息や鼻炎などを発症します。ですから生活空間のどこかでカビが大繁殖していることが考えられます。

家の中で大きなカビの塊りが見つかったり、カビ臭がしているところがあればそれが原因でしょう。それらを除去できれば症状は治まるでしょうが、カビの発生場所が分からないときは厄介です。

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カビアレルギーによる症状

カビによるアレルギー症を真菌アレルギー症と言います。主な症状としては気管支喘息、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、鼻アレルギー、過敏性肺臓炎などがあります。

気管支喘息

アレルゲンによって喉が炎症を起こし、気道が狭くなります。ニホンでは5%前後の方が喘息を患っています。成人のアレルゲンは特定できないことも多く、正確にどれだけの割合でカビが原因になっているかは分かりません。ただ、1980年台と少し古いですが、小児喘息は15%ほどがカビによるものだったようです。

鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)

症状の重さはそれぞれですが、一割ほどがこの鼻アレルギーを患っていると言われています。喘息と併発することが多く、これもアレルゲンは花粉、カビ、ダニなどです。

詳細:ハウスダストや花粉で起こる鼻アレルギーの治療法や手術費用

過敏性肺炎

本来なら無害な種類のカビや有機物の粉塵、化学物質に繰り返しさらされている内に身体が過剰反応を起こすようになる疾患です。過敏性肺炎にかかった場合、自宅や職場に大量の同じ種類のアレルゲンが存在することが疑われます。

詳細:風邪と似ている過敏性肺炎・治療法や見分ける方法

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)

原因菌はアスペルギルス・フミガーツスであることが多く、喘息の持病がある方がかかることがほとんどです。発熱、嘔吐、全身の倦怠感、それに濃い痰が出ることが特徴です。

詳細:喘息とよく間違われるアレルギー性アスペルギルス症

カビアレルギーの集団発症事例


過去にあった事例ですが、マンション全体がカビに侵されていて、そこに住む子どもたちが大勢重症の喘息にかかったことがありました。このようなケースでは個々の部屋の掃除では意味がなく、業者を呼んでカビの除去と防腐措置をしてもらうしかないでしょう。今では少ないでしょうが、1980年ごろにはこのようなマンションは多かったようで、名古屋の小児科病院で一時200名の入院患者が出たこともありました。

もうひとつ実例を挙げると、静岡の小学校で100名以上の生徒が喘息になったことがありました。このときの原因は2キロ離れたところにあった製紙工場が、山中に原料チップを積んでいたことでした。それらにツチアオカビが繁殖し、胞子が大量に小学校へ飛ばされていたのです。その後、原料チップを片付けたところ、数日で喘息は治まったということです。

もし家の中をきれいにしても喘息が治まらないということがあれば、近隣の住民に同じように喘息になっている人がいるかどうか確認した方がいいでしょう。

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